- 皆さま、こんにちは。
前回につづき、
2026年8月に行いました、キャビアと日本酒のテイスティングイベントについて記しております。今日は、イベントの実現に至るまでの想いについてを書いてまいります。
- テーマは、「Natural」
- イベントタイトルは、すぐに決まりました。
生態系により近い豊かな環境で育てられたチョウザメたちからいただいた卵を、塩だけで仕上げるフレッシュキャビアを提供する私たちマダムスタージャンキャビアと、
米・麹・水と菌の力だけで、添加物を一切使わずにお酒を造る土田酒造。
互いの共通点である「Natural(自然のままのあり方)」は、満場一致の決定でした。
- そして、Naturalに込めた想いは、実はこれだけではありませんでした。
- 昨今キャビアを取り巻く環境は、“不自然”が多く目につくようになりました。
産地偽装や誇大広告、言葉の綾を用いた販売表現、売り手に都合のよい加工、
「卵を抱かないオスは不要」と稚魚にホルモンを与え性転換、
「粒が大きい方が映える」「色は均一な方が使いやすい」の声を拾い、粒肥大化、色均一化に着手
……書いているだけでもげんなりしてきます、、、
ですが、そのような造られたキャビアも、同じ【キャビア】として提供されています。
- 古代から現代にいたるまで、多くのフーディーたちを魅了してきた世界三大珍味【キャビア】は、決してそのようなものではありません。
- ですが、新規参入が相次ぎ
キャビアを知らない人たちが多く携わることで、キャビアのあり方は大きく変わりました。
そしてこれから、
それらに拍車をかけていくもののひとつは、
AIだと私は思っています。
これまで、
どこか神秘的食材として扱われてきたために、正確な情報はインターネットに出回っておりません。
キャビアを知らない人たちが、曖昧な情報の一部分を切り取り、自由な解釈のもと広まった情報が点在している中、AIによる収集がなされています。
現に各社のAIに、キャビアについて尋ねてみても、誤った情報やアップデートが必要な内容が非常に多いです。あまりの多さに心が病む思いです。
- キャビアの本当の姿は、検索画面やAIの答えの中にはありません。
- だからこそ、「自分の五感で体感する」ことこそが必要であると考えました。
実際に目にして、香りを感じ、質感に触れて、食べ自分の舌で味わう。
先日投稿した、「私と、ウォーホル」でも書きましたが、
キャビアは他者の評価が採用されていることがとても多いです。
ネットの情報や誰かの評価を借りるのではなく、自分の五感でキャビアのおいしさを決めてほしい。当たり前のようで、当たり前ではなくなってしまっている、そんな、選択の主導権が自分にある「Natural」な選択をしてほしいという、私たちからのメッセージを含んだタイトルでもありました。
- 実は今回、イベントを前に星野さんにアンケートを行いました。
"キャビア×日本酒"という、少し身構えてしまう非日常体験のため、
「どんな人がやっているんだろう?」と
不安に感じられる方も、きっと、多くいらっしゃるだろうな。私たちが日々、
どのような思いでお酒やキャビアに向き合っているのか、その手触りのようなものを事前にご紹介出来れば、足をお運びいただく間の不安を、少しでも安心に変えられたらいいなと考え、文字にしました。
その中から、ひとつご紹介いたします。
Q:星野さんの日本酒に対する思いと、松居のキャビアに対する思いの共通点を教えてください。
A:一番はっきりしている共通点は、「余計なものを足さず、自然のままに仕上げる」という姿勢です。土田は米・麹・水と、菌の力だけで、添加物を一切使わずに酒を造る。松居さんのキャビアも、チョウザメの卵と塩だけ、防腐剤を使わず加熱も冷凍もしない。素材と自然の力を信じて、手を入れすぎない——今回のイベントのテーマ「Natural」は、まさにこの重なりから来ていると思います。
調べれば何でも分かり、"それなりに良いもの"なら誰でも手に入る時代だからこそ、借り物の評価ではなく、自分の舌で本当の良さを確かめてほしい。私たちが「情報も技術も行き渡った時代に、どう中身で勝負するか」を考えているのと、松居さんが「自分の五感でキャビアのおいしさを決めてほしい」と願うのは、根っこが同じだと感じます。
- 少しそれますが…
星野さんに対し、自己紹介を含む全6問のアンケートをお願いしたのですが、すべてにこの熱量でご回答くださいまして…
メールを開きまず目にした、この文字量。
その瞬間に涙腺崩壊。
なんて真摯に対応くださるのかと考えたら、どんどん、どんどん涙があふれ、自分の涙でパソコンの画面が見えず……
涙と涙の合間でぼやけながら見える言葉に、肩を揺らしながら泣きました。
ひとしきり泣き、呼吸をととのえ、再び読み直し…
本当に良い仲間に出会えたことを、心から感謝した瞬間でした。
……戻ります。
- イベントには、
もう一つサブタイトルをつけておりました。
~嗜み方を知る大人はかっこいい~
- 少々偉そうではありますが、これは私自身のスローガンでもございます。
"かっこいい大人になりたい"
私にとってかっこいいとは、自らの感性と美意識で選択ができ、そのものの持つ背景に優しく敬意を払える人のことです。
キャビアを通して、食のあり方や、尊い命をいただくことの意味にそっと想いを巡らせる——それこそが、「嗜み」であると、私たちは考えております。
- ………と、綺麗な言葉を並べましたが、
単純に、
そんな大人ってカッコいいな~!!!
そんな風になりたいなー!
そして、
そんな食体験の時間を提供できたら、それもまたカッコいいなーー!!と、実現に向け始動。毎日奮闘しておりました。
- 折角なので、
イベントページのURLを載せておきます。
ページ下部には、星野さんからいただいた他の問いへの回答もございます。
サリーとバエリに関して、お酒の設計図を担われているプロならではの興味深い視点も含まれておりますので、よろしければ併せてお読みいただけますと嬉しく存じます。
- 今回は、直接的な、
「キャビア×日本酒=マリアージュするのか。」の内容とは少しそれて記してまいりましたが、次回は味わいについて議論を交わす出来事がございましたので、私たちの考える【マリアージュとは】について書き記していきたいと思います。
- 最後までお付き合いくださりありがとうございました。
では、また次の機会に。